羽田からの帰りのタクシー。
なにを思ったのか、ドライバーがわたしのしごとについて聞いてくる。
いちおう、「心理学の講演会など・・・」とお茶を濁す。
「わたしね、本当に生かされてるって思うんですよ」とドライバー。
羽田から家まで1時間ほどかかる。
話が長くなりそうな気配。
「そうなんですね」とあいまいに返した。
のに、めげずに。
「わたしね、以前、自殺しようと思って、準備してたんです」と、ドライバー。
やばい。
ちょっと、おもしろい話になりそうな。。。
「以前に、経営に失敗しましてね。それで、自殺しようと思って、最後に親父のいる東北へ車でむかったんです」
なるほど。
「そのとき、ちょうど、記録的な大雨で道路が通行止めで、どうしても行きたいのに、行けなかったんです。そしたら、妻から電話がかかってきまして。そのときは、もう、仲もずいぶんわるくなってたんですが。妻は『会社の1つくらい失敗してもどうってことない』って言ってくれまして。」
ふむふむ。これは、もしや、泣く準備をしたほうがいいのか?
「どうしても、親父に会うこともできず、そのときに、生かされたと思ったんです。」
なるほど、そこへつながるのね。
それ以来、タクシードライバーをやりながら、生きることについてお客さんに話をするそうです。
離婚についてとか、自殺についてとか、生きることについてとか、イヤなことへの対処法とか。
最初の「自殺しようと・・・」というひと言ふた言が話のピークでした。おもしろい話になりそうな片鱗を見せながら、みごとにしりすぼみ。それでも、1時間話つづけてました。
とはいうものの、妻からの電話に助けられたくだりは印象につよく残っていてすてきな事実であることはたしかでした。
要約すると、僧侶に人生訓を話した武勇伝とか、投資に失敗したお客さんに説教したりとか、愚痴ってる脚質乗務員を励ましたりとかいった話がつづきます。人生つらいけど、生かされてるからね、と1つ1つの話はよくまとまってました。
なにかと「ええ話風」にまとめてきます。
が、いかんせん、わたしが落ち込んでもいないし、愚痴ってもいないので、話のどのへんに食いついていいのか微妙つづき。
が、しかし。
最後の最後に、本領発揮。
思わず「なんでやねん」とツッコミたくなりました。
「心理学にくわしいということで、お聞きしたいんですが。お客さんに気持ちよく話してもらうにはどうしたらいいんですか?」
「最後の最後にその質問かいっ」とこころのなかで叫びました。
「もうちょっと、話を短くしたら!?」とも言えず。
「お客さんの話を聞く気ないんだから、話しつづけたらいいんじゃないっすか」とも言えず。
「そのあたりで止めてください。話、楽しかったです。」というのが精一杯で少し歩くことにした。
料金を払いながら「すてきな奥さんと出会われてしあわせですね」と言いながら、開いたドアからおりた。
そのとき、全身の力が抜けて、倒れ込みそうになった。
「あっ、わたし、そのときの妻とは別れたんです」と、元気いっぱい、ドライバー。
なにを思ったのか、ドライバーがわたしのしごとについて聞いてくる。
いちおう、「心理学の講演会など・・・」とお茶を濁す。
「わたしね、本当に生かされてるって思うんですよ」とドライバー。
羽田から家まで1時間ほどかかる。
話が長くなりそうな気配。
「そうなんですね」とあいまいに返した。
のに、めげずに。
「わたしね、以前、自殺しようと思って、準備してたんです」と、ドライバー。
やばい。
ちょっと、おもしろい話になりそうな。。。
「以前に、経営に失敗しましてね。それで、自殺しようと思って、最後に親父のいる東北へ車でむかったんです」
なるほど。
「そのとき、ちょうど、記録的な大雨で道路が通行止めで、どうしても行きたいのに、行けなかったんです。そしたら、妻から電話がかかってきまして。そのときは、もう、仲もずいぶんわるくなってたんですが。妻は『会社の1つくらい失敗してもどうってことない』って言ってくれまして。」
ふむふむ。これは、もしや、泣く準備をしたほうがいいのか?
「どうしても、親父に会うこともできず、そのときに、生かされたと思ったんです。」
なるほど、そこへつながるのね。
それ以来、タクシードライバーをやりながら、生きることについてお客さんに話をするそうです。
離婚についてとか、自殺についてとか、生きることについてとか、イヤなことへの対処法とか。
最初の「自殺しようと・・・」というひと言ふた言が話のピークでした。おもしろい話になりそうな片鱗を見せながら、みごとにしりすぼみ。それでも、1時間話つづけてました。
とはいうものの、妻からの電話に助けられたくだりは印象につよく残っていてすてきな事実であることはたしかでした。
要約すると、僧侶に人生訓を話した武勇伝とか、投資に失敗したお客さんに説教したりとか、愚痴ってる脚質乗務員を励ましたりとかいった話がつづきます。人生つらいけど、生かされてるからね、と1つ1つの話はよくまとまってました。
なにかと「ええ話風」にまとめてきます。
が、いかんせん、わたしが落ち込んでもいないし、愚痴ってもいないので、話のどのへんに食いついていいのか微妙つづき。
が、しかし。
最後の最後に、本領発揮。
思わず「なんでやねん」とツッコミたくなりました。
「心理学にくわしいということで、お聞きしたいんですが。お客さんに気持ちよく話してもらうにはどうしたらいいんですか?」
「最後の最後にその質問かいっ」とこころのなかで叫びました。
「もうちょっと、話を短くしたら!?」とも言えず。
「お客さんの話を聞く気ないんだから、話しつづけたらいいんじゃないっすか」とも言えず。
「そのあたりで止めてください。話、楽しかったです。」というのが精一杯で少し歩くことにした。
料金を払いながら「すてきな奥さんと出会われてしあわせですね」と言いながら、開いたドアからおりた。
そのとき、全身の力が抜けて、倒れ込みそうになった。
「あっ、わたし、そのときの妻とは別れたんです」と、元気いっぱい、ドライバー。

